2024年9月26日に発売された「英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-」のクリアレビューです。
本作は、軌跡シリーズ20周年記念を銘打たれた作品で軌跡シリーズ第13作になります。前々作の黎の軌跡、黎の軌跡Ⅱの続編にあたる本作は、大きく物語が動き出し、ファンには見逃せない一作になっています。
まず、結論ですが、20年も続くシリーズであり、本作から始めるのはおすすめできません。
歴代シリーズのキャラもたびたび、ストーリーで登場するため、一作目からプレイすることがおすすめされます。
最低でも黎の軌跡よりプレイすれば、物語の大枠は掴むことができると思います。しかし、13作のうちほとんどプレイしていれば、過去作のキャラクターの繋がり、世界観も含め、より楽しむことができます。また、物語が大きく進み、今後の展開が気になる仕上がりになっています。
「英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-」のゲーム紹介!
このゲームを簡単に紹介すると
・歴代シリーズと同じゲームシステム
・歴代キャラも登場で懐かしさがあるストーリー
・派手な演出とムービー
歴代シリーズと同じゲームシステム
本作は、街を巡回し、サブクエストで困っている人を助けたり、買い物や釣りができます。街でのイベントは、前作のキャラクター同士の関係が引き継がれており、サブクエストでも前作をプレイしていないとわからなくなってしまいます。
ストーリーは、キャラクターのセリフがテキストで表示される形式でシナリオが進みます。ボリュームが多く、フルボイスではないため、文字を読まないといけません。
戦闘は、歴代よりコマンドバトル形式が採用されており、攻撃、防御、アーツ、クラフトなど行動を選択してバトルを進めます。
アーツとは、いわゆる魔法のようなもので【地・水・火・風・時・空・幻】と七つの属性のアーツが存在します。アーツによって攻撃範囲や威力、デバフの追加効果が異なり、敵の弱点に合わせて使用します。また、回復やバフを付与することもできるため、戦闘では重要な役割になります。
クラフトとは、キャラ固有の技であり、物理攻撃、魔法攻撃、回復/補助などキャラクターによって変わります。また、Sクラフトと言われる強力な必殺技を使うことができます。
軌跡シリーズでは、基本的にコマンドバトルを行いますが、「黎の軌跡」よりフィールドバトルを行うことができ、アクションゲームのような戦闘をすることもできます。
〇雑魚戦がスムーズ
RPGにおいて、ストーリー道中での雑魚敵との戦闘は必須になります。無視して進むこともできますが、経験値が稼げず、レベルが足りないため、ボス戦で苦戦することに繋がります。今作では、フィールドバトルでサクサク敵を倒せますし、Z.O.Cを使用すれば、敵のスピードが遅くなり、攻撃力が上昇し、一方的に攻撃できます。
また、クラフト技の使用にはCPが必要になりますが、CP上昇系装備とフィールドバトルを組み合わせれば、すぐにCPが溜まり、コマンドバトルに切り替えてすぐにSクラフトで敵を殲滅できるため、サクサク敵を処理出来ます。
RPGにおけるめんどくさい部分を簡略化できるので遊びやすいです。
〇過去作キャラクターと登場
次に今作は主要キャラクター以外にも役割が与えられ、ストーリーが展開するのがよかったです。リィンやケビンなどは過去作で操作することができ、主要キャラであったため、知っている人も多いと思います。しかし、本作はメインストーリーでリラ、ヨナ、ミントなど懐かしのキャラが少し登場するため、歴代の作品をプレイしていると懐かしく感じます。
〇ド派手なクラフト演出
クラフトスキル発動時の演出がどのキャラクターもかっこいいです。特に、ヴァンのグランデル化や守護騎士の聖痕解放、リィンの無想神気合一など能力を上昇させるクラフトはかっこよく魅力的です。スキル使用時の映像は気持ちを盛り上げてくれるため、単調になりやすいRPGにおいてとても重要に感じます。
〇迫力のあるムービー
軌跡シリーズは基本的に会話シーンが多く、キャラが動き回る映像は少ないのですが、各ルートで重要なシーンでは大迫力の戦闘を見ることができます。特にリィンVSシズナ、リィンVS剣仙ユン・カリファイの戦闘は大迫力で盛り上がります。
×ストーリー中を含め、イベントシーンでボイスが少ない
コネクトといい、特定のキャラ同士の掛け合いを見ることができるのですが、5分くらいのイベントシーンで重要な2、3セリフのみボイスをつけられていました。ストーリーが長いため、すべてにボイスをつけるのは厳しいと思いますが、せめて、キャラ同士の掛け合いのイベントシーンくらいはボイスありであったほうがよかったなと思います。ボイスがないと印象が薄くなり、ストーリーが記憶に残りずらいため、全体的にもう少しボイスがあってもよかったかなと思います。
×メインストーリー中、サブキャラの出入りが激しい
ヴァンルートであれば、アークライド事務所のメンバーはほぼずっと使えていましたが、エレイン、レン、シズナ、ヨルダなどは章ごとに入れ替わりが激しく、お気に入りのキャラがいても育成しにくく、その都度装備を変更しないといけなかったりしてめんどくさく感じました。
まとめ
本作は、前作の「黎の軌跡Ⅱ」からのプレイが必須になるものの物語が動き出し、気になる展開になりました。戦闘はほぼ前作と同じで、すこしだけ新システムを追加した程度なため、斬新さはありません。しかし、戦闘に加え、アーツやクォーツの変更は、歴代シリーズと同じ形式のため、長年プレイしているユーザーは遊びやすいと思います。
プレイ時間は、サブクエストや釣りなどのやりこみ要素をやりましたが80時間くらい遊べました。そのため、ストーリーだけでも60時間近く遊べるのではないかと思います。
本作はラストで気になる終わり方をしたため、次回作が楽しみです。シリーズファンはプレイ必須な完成度になっています。
「軌跡シリーズ」は、過去作から一作で完結せず、中途半端なところで終わる癖があります。また、伏線ばかりで過去作のキャラの名前がちらっと出たりして、ゲーム内のキャラクター同士でしかわからない会話が繰り広げられます。そのため、わからないとプレイヤーは世界観についていけず、置いてきぼりになるかもしれません。
軌跡シリーズを遊んだことない方で、2025年にシリーズの原点『英雄伝説 空の軌跡FC』の完全フルリメイク版「英雄伝説 空の軌跡 The 1st」が発売されるため、軌跡シリーズを始めるきっかけにして頂き、一度プレイして見て、世界観やゲーム性が気に入ったら、シリーズをプレイするのがいいかもしれません。
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