【クリアレビュー】『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』好評な新主人公と賛否の分かれるシステム

Nintendo Switch
作品名:『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~
発売日:2025年3月21日
プラットフォーム:PlayStation®4/5 / Nintendo Switch™ / Steam® /
Xbox Series X|S / Xbox One

今回は、2025年3月21日に発売した「ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~」のクリアレビューです。

「アトリエ」シリーズから約2年ぶりの最新作である本作は、シリーズ史上最速の発売から一週間で世界累計出荷本数30万本を突破しました。

最大規模のオープンワールドに加え、リアルタイムに進行するスピード感があるバトルが特徴であり、ジャストカードやジャスト回避などアクション要素が入ったシステムに変更されています。

シリーズを通して、調合を駆使してアイテムを作成し、戦闘を行うことは変わりませんが、調合システムはかなり異なるため、評価が分かれるところであります。

「ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~」のゲーム紹介!

このゲームを簡単に紹介すると

・新規主人公のユミアのキャラクター性と個性的なキャラクター

・オープンワールドでのシームレスな探索

・シリーズ史上最速の発売から一週間で世界累計出荷本数30万本を突破

作品紹介

まずは「ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~」について簡単に紹介していきます。

本作は、錬金術をテーマに紡がれるRPG「アトリエ」シリーズの26作品目のタイトルです。

「秘密シリーズ ライザのアトリエ」シリーズは、3作の累計出荷本数は200万本以上を売り上げています。

また、「ライザのアトリエ」は太ももが大きく特徴的な絵であるため、たびたび話題に上がっていたこともあり、「アトリエ」シリーズを知らない方でも「ライザ」の名前を知っている人多いのではないのでしょうか。

今作は「PlayStation®4/5 / Nintendo Switch™ / Steam® /Xbox Series X|S / Xbox One 」と幅広いハードで遊ぶことができます。

本製品は体験版が配信されており、セーブデータを引き継ぐことができます。

一定のストーリーまでしか進めることができませんが、オープンワールドの探索や素材集め、調合などは自由にできるため、製品版がプレイできるまで遊びつくしたプレイヤーも多いかもしれません。

〇新規主人公のユミアのキャラクター性と個性的なキャラクター

本作の主人公は、幼い時に錬金術師であった母を亡くしたユミア・リースフェルトであり、母の真意と禁じられた錬金術の真実を探るため、冒険をします。

キャラクターの見た目はおっとりした気弱なデザインであります。

しかし、錬金術師が使う杖の先端から銃弾が発射される特殊な武器での狙撃に加え、蹴りを繰り出す好戦的なキャラであり、バイクの運転や踊りなど多芸多才です。

性格は大人しく丁寧な感じもありますが、悪ガキ感もあり、いいキャラになっていると思います。

また、宝箱を開ける際は足で開けるなど男勝りな雑な一面もありました。

他の登場キャラクターとしては、「アラディス調査団」であり、ユミアの監視役でヴィクトルとアイラ、亜人種の少女レイニャ、ミステリアスな雰囲気の女性ニーナ、金目のものに目がないルドガーなど個性あるキャラクターが登場します。

アイラとの仲のいい友達と話す何気ない会話もいいですが、ルドガーとの砕けた感じの会話で姉と弟の関係のようなユミアが悪ガキ感のあるセリフが出てくる関係性がよかったです。

△オープンワールドでのシームレスな探索

マップの移動がないため、ロードを挟まずにスムーズな探索ができます。

他にも、宝物庫やキャンプ地など重要な地点には「?」がついており、探索がしやすく、マップの「?」をなくして、マップを埋めていくのが楽しかったです。

また、探索を進めれば、スキルツリーを強化するためのSPや宝箱に武器や防具などの装備品や調合で作る戦闘アイテムを入手でき、序盤にあまり品質の高い道具を作れないときにはとても重宝します。

しかし、探索の不満点としては、何気ない階段でひっかかることです。

段差判定が入っているのかわかりませんが、階段を上るのにジャンプが必要になるので修正してほしいです。

×調合の重要度が低くなり、調合の手法が単調

調合の重要度に関してですが、過去作では、杖や鎌、ハンマーなど採取道具を使って素材を回収してしました。

採取道具は調合することで入手でき、上位の素材を使用すれば、品質の高い採取道具を作ることができ、採取できる素材のランクが増えていくシステムでした。

そのため、新たなエリアに行って採取を行い、品質の高い採取道具を作れないか試行錯誤する楽しみがありました。

今作では、スキルツリーに採取できる素材のランクを上げることができ、採取道具はなくなり、調合を工夫する必要性がなくなりました。

また、調合アイテムの品質は、低品質の中和剤を何度も使って中和剤を作成すれば、品質999の最高品質まで上げることができ、そこから、品質999のインゴットなども簡単に作成できます。

インゴットを用いて、調合済みのアイテムを強化できるアイテムビルドで1つアイテムを入れて調合を繰り返せば、簡単にステータスカンスト武器が作れてしまい、ゲーム性すら崩壊してしまうものができてしまいます。

序盤から終盤まで何度も調合を繰り返し、素材のランクを上げて、高品質のアイテムを調合し、装備を新調していた歴代作品と比べて、簡単に最高品質、カンスト武器ができてしまう本作は、調合システムの調整を失敗していると考えられます。

×リアルタイムで進行するバトルシステム

本作は、リアルタイムに進行するスピード感のあるバトルが特徴であり、ボタンごとに設定されたスキルやアイテム、ガード・回避を駆使して戦うことになります。

ガードや回避に加え、スキルを組み立てることも可能であり、アクション要素が豊富に取り入れられています。

新要素としてはバトル中、インレンジ・アウトレンジの切り替えができるようになっており、敵の攻撃範囲を避けるために切り替えを行うことがあります。

また、レンジを切り替えることでスキルや攻撃属性が変化するので相手の弱点によって、有利な距離で戦う必要も出てきます。

スキルにはクールタイムがある為、アクションゲームのように常に攻撃ができるわけではありませんが、スピード感のあるバトルを楽しめます。

操作キャラに関しては、タイミングよく回避することでHPを高く保てますが、仲間のHPがどんどん削られて、やられてしまいます。

そのため、複数人でパーティーを組む本シリーズのゲームシステムであれば、攻撃、防御、回復など戦略性があるコマンドバトルのほうが遊びやすく相性がいいと感じました。

他にも、スキル、アイテム、ガードなどの切り替えがスムーズではなく、スキル攻撃モーション中は、アイテムに切り替えられず、戦闘時の操作が思っている動きをしなくてモヤモヤしました。

まとめ

本作のプレイ時間はメインストーリーと全エリア探索90%以上で40時間くらいでした。

探索範囲は広いですが、素材採取の必要があり、ついでにSPや宝箱の収集などを行うことができ、苦痛なく楽しめました。

本シリーズのゲームの主軸である採取して、調合したアイテムを戦闘で用いるというため、「採取・調合・戦闘」のバランスがとても重要であります。

本作からオープンワールドであり、アイテムが壁や木についていたりなどアイテムの配置が広がり、収集の幅が広がりました。

その一方で、高品質のアイテムの作成が容易に作成できる為、調合、戦闘のバランスが崩れてしまっていました。

主人公を含めキャラクターは魅力的なため、次回作で続編があるときは、序盤、中盤で容易に最高品質なものを調合できないようにバランスを考えほしいと思います。

今後の期待としてアトリエシリーズは、DLCで衣装追加されることがある為、ユミアの着せ替えを楽しむことができるかもしれません。

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